50代カップルの付き合い方に、正解はあるのか?

50代カップルの付き合い方に、正解はあるのか?
尚子
尚子

マスター…

恋って…

50代になってもするもんなんですね…

そう言って笑ったのは、常連の「尚子さん(仮名・52歳)」とでもしておきましょうか…。

鈴木はグラスの吹上の仕上げに使う白いクロスを丁寧にたたみながら、今夜の客たちを見渡しながらあなたに言った。

彼女は前のご主人とは10年以上前に別れ、子育ても一段落。
ようやく自分の時間を楽しめるようになってきた頃だったかなぁ…。

ある日、職場の同僚と偶然飲みに行った帰りに、
帰り道が同じだった同僚の男性と静かに歩いた。


その時、彼がふと言ったのがきっかけだった。

彼

このまま一緒にずっと歩いて行けたらいいのになぁ…

え?なんでこんなふうに言ってくれるの?と尚子は小さく…驚いた。

同じ方向を見て歩いている彼には尚子のその表情は見えてはいなかっただろう。

尚子
尚子

ねぇ、マスター

50代の付き合い方って、恋愛っていうより、共に過ごす相手って感じよね

そう言って彼女は嬉しそうに私に話を始めてくれました。今まで見たことない嬉しそうな、でも落ち着いた静かな表情でこの続きを話してくれました。赤ワインと枝付きのレーズンを召し上がりながら…

50代カップルの付き合い方|若さではなく“温度”を大事にする

50代同士の恋愛…結婚するわけでも結婚を前提に交際しているわけではない尚子と彼。

尚子
尚子

「付き合う」って言葉は、若い頃のものだと思ってたわ


だけど、気がつけば休みの日には一緒にスーパーへ行き、
お互いの親の介護の話も自然と共有し合うようになっていた。

「ときめきなんてないよ」と彼女は笑っていたが、
その表情にはどこか柔らかいものがあった。

50代カップルの付き合い方に必要なのは、
「一緒にいて疲れないこと」と「相手を急かさないこと」。

この年齢になると、恋愛よりも「生活リズム」が大切になってくる

チェックポイント 50代の付き合い方

「生活のリズム」を大切に(相手の心身を思いやる配慮)

「一緒にいて疲れないこと」と「相手を急かさないこと」

50代カップルの付き合い方に迷ったら、比べることをやめる

「この年で恋愛なんて、気恥ずかしい」
「周りからどう思われてるんだろう」

そんなふうに思ってしまう50代カップルは多い。

でも、50代のカップルが若い頃と同じ形で付き合う必要なんてない。

2人で無言でテレビを観る時間が愛おしい。
出かけるより、一緒に家でご飯を食べるほうが嬉しい。
LINEが既読にならなくても、信頼している。

他人の“恋愛の常識”に惑わされないことが、50代カップルの付き合い方の基本なのかもしれない。

チェックポイント 50代の付き合い方

他人や異なる世代の人たちの“恋愛の常識”に惑わされないことが基本

50代カップルの付き合い方に必要な「距離感」という優しさ

尚子と彼は、実はまだ別々に暮らしている。
「一緒に住まないのですか?」と鈴木が聞くと、少し笑ってこう答えた。

尚子
尚子

それぞれの生活のリズム、大事にしたくて…
彼、早起きでね。私は夜型なの。些細なことだけど、ずっと続けるにはそれも大切かなって


50代のカップルは、「ずっと一緒にいる」よりこの付き合い方を「続けられる」ことの方が大切なのかもしれない。

チェックポイント 50代の付き合い方

「ずっと一緒にいる」よりこの付き合い方を「続けられる」ことが大切

むすび|50代の付き合い方は、肩書きじゃない―空気のようにそばにあればいいわけで…

Bar≪夜風≫鈴木
Bar≪夜風≫鈴木

お二人の距離感、関係性…とてもよいですね

尚子さんはレーズンの枝を指先でつまみながら、この一人の時間を楽しんでいるようでした。

尚子
尚子

若い頃は、相手に「私を見て」って思ってたんですよ。
今は、「あなたがそのままでいてくれたらいい」って思える。
それがたぶん、今の恋なのかもって…

恋愛は、年齢や肩書きでは決まらない。

Bar≪夜風≫鈴木
Bar≪夜風≫鈴木

その人と過ごす時間に、静かに幸せを感じられるなら、
それは立派な「恋」ですね

50代の付き合い方ってこんな風に静かで温かくて愛おしいものなのかもしれません

チェックポイント 50代の付き合い方

50代の恋愛に、正解はない

でも「心が楽になる相手」なら、きっとそれが答えだ